錦帯橋観光におすすめの郷土料理「岩国寿司・太平・岩国蓮根」のご紹介

皆さんこんにちは!店主の森本です。

今回は岩国にお越しの際には是非ご賞味頂きたい【岩国寿司】と【おおひら】そして【岩国蓮根】をご紹介したいと思います!

岩国寿司(いわくにずし)

岩国は山城の国、お殿様に献上する為に運びやすく豪華な料理が求められていた中で、大きな枠に数段にも重なって、大きな包丁で豪快に切るこの岩国寿司がたいそう喜ばれたとの事。

この大きさを知ってこその岩国寿司です。お殿様に献上した為別名【殿様寿司】とも呼ばれたとか。

但し史実にはっきりと記載がある訳では無く代々言い伝えてこられたお話です。野戦用の食糧として重宝されたとの説もあり、そこから庶民の料理として根付いた理由も分かります。昭和50年代位まではこの地区で岩国寿司の型枠を嫁入り道具として持参したそうで、庶民に欠かせない郷土料理の一つです。

冠婚葬祭など人が集まる場には必ずこの岩国寿司が有り、枠から切り出した寿司をどん!と置き、食べたい人が取って食べるスタイルでした。

しかし近年一つの器から皆が取り分ける事を良しとされない方や遠慮される方が多くなりましたので、現在では一人前づつ器に分けてお出ししております。

特に決まった食材がある訳では無く、お店や各家庭によって具材や味付けも様々です。その違いを楽しめるのも岩国寿司ならではの特徴だと思います。最近では岩国の有名な食材の岩国蓮根(下記参照)を入れるのは定番のとなってきました。

当半月庵の具材は、錦糸卵・焼き穴子・煮椎茸・桜でんぶ・春菊(夏季を除く)そして岩国蓮根です。

寿司飯には郷土のお米【あきまつり】を使用、酢飯ですが甘めの味わいにしております。

優しい味の岩国寿司を是非ご賞味下さい。

おおひら(大平)

こちらも古くから岩国に伝わる郷土料理です。その起源や、いつ頃から有るのかが記録に無いので分かりません。

しかし岩国のお母さん達が代々その家庭の味を引き継ぎ今に続いております。

おおひら(大平)の名前の由来は、写真のような大平椀と言う名前のお椀(漆器、直径30~40㎝程度の蓋付きのどんぶり)によそって出した事からその器の名前がいつしか料理名になったと伝わっています。

この料理も岩国寿司とともに出されており何人分も大量に大平椀に入れて、食べたい人がお椀に自分で取り分けて食べておりました。こちらもその大きさが豪快で喜ばれたとか。しかし、これも前述の理由で今では一人前づつ取り分けてお出ししております。

どんな料理かを簡単に説明すると、汁物と野菜の煮物の2つの料理を一緒にしてしまった料理です。半月庵の具材は岩国蓮根をはじめ人参や牛蒡・こんにゃく・里芋などのその季節の根菜が中心で、野菜から出るだしとカシワ(鶏肉)でだしを取り味付けします。原則はすまし汁としたいので薄味ですが、決して物足りない味では無く十分ご堪能頂ける逸品に仕上がっております。和食の種類としては「椀物」としてお出ししております。

優しい野菜だしのお吸物風郷土料理を是非ご賞味下さい。

 

岩国蓮根

岩国蓮根は岩国の三大郷土料理【岩国寿司】【大平】【酢バス】のすべてに使われている岩国を代表する食材です。

穴の事を鬆(す)と呼び、穴が開くことを「すが立つ」と言います。

こと様に穴の事をすと呼び、ハスは「穴(す)が八つあるので”はす”」と呼ぶそうです。

このハスは輪切りにすると穴が沢山開いて「見通しが良い」として縁起物で使われます。

岩国蓮根の穴は九つ!一般的なハスよりは穴が一つ多い為「より見通しが良い」として最上級の縁起物として重宝されています。特に晴れの門出、いわゆるこれから何かが始まる祝いの席には欠かせない食材として日本中の板前さんの間では広く知られており、お祝いの席で使われております。

岩国蓮根はシャキッとした歯ざわりでは無く、どちらかというとホコっとしたお芋さんに近い食感が特徴で酢物や煮物に使います。

近年では「岩国海軍飛行艇カレー」と言う岩国のご当地カレーにじゃが芋の代わりに角切りにして入っています。こちらも変わった用途で面白く美味しいです。是非ご賞味下さい!

 

最後まで読んで頂き有難う御座います。

以上岩国郷土料理のご案内でした。  半月庵 店主